法人向けオンラインアシスタントサービス「HELP YOU」を提供する株式会社ニット。創業以来、全員リモートワークが当たり前の同社。2019年4月に移転した五反田TOCのオフィスを訪ね、オフィス移転の経緯や今後の事業展望について伺いました。
法人向けオンラインアシスタントサービス「HELP YOU」を提供する株式会社ニット。創業以来、全員リモートワークが当たり前の同社。2019年4月に移転した五反田TOCのオフィスを訪ね、オフィス移転の経緯や今後の事業展望について伺いました。
全社員リモートワークの会社が自社オフィスを構えた理由。それはコミュニケーション希薄化への危機感
ーー全社員がリモートワークという働き方はとても特徴的ですね。働く場所を自由に選べる社員は、どんな生活をされているのですか?
大阪と東京の二拠点で生活しながら働く社員、長野や奈良、そしてイスラエルに移住してフルリモートで働く社員もいます。また家を持たずに全国を転々としながら生活するアドレスホッパーもいますよ。
広報の渡辺は、バングラデシュで働いていている時に弊社の業務に関わるようになり、その働き方に共感して社員になりました。
広報の渡辺は、バングラデシュで働いていている時に弊社の業務に関わるようになり、その働き方に共感して社員になりました。
ーーそれだけ自由な環境なのに、なぜ自社オフィスを構えようと思ったのですか?
不思議に思いますよね(笑)。創業当時から働く場所を全員が自由に選べましたが、その頃はまだ社員も少なく、そもそも誰もオフィスに来ない。。
そんな調子だったので、自社オフィスを構える必要性を感じず、ずっとコワーキングスペースを利用していました。ビジネスに必要なものが揃っているコワーキングスペースもとても便利でしたよ。
ただ徐々に社員が増えていくと、コワーキングスペースではフリーアドレスで離れて座っているため、会話がしづらいと感じるようになりました。コミュニケーションが絶たれ、希薄になっていくことに危機感をおぼえ、「みんなが同じ空間に集まって近い距離で話せる場所が必要だな」と思うに至りました。
そんな調子だったので、自社オフィスを構える必要性を感じず、ずっとコワーキングスペースを利用していました。ビジネスに必要なものが揃っているコワーキングスペースもとても便利でしたよ。
ただ徐々に社員が増えていくと、コワーキングスペースではフリーアドレスで離れて座っているため、会話がしづらいと感じるようになりました。コミュニケーションが絶たれ、希薄になっていくことに危機感をおぼえ、「みんなが同じ空間に集まって近い距離で話せる場所が必要だな」と思うに至りました。
ーーオフィス探しのポイントや五反田TOCに決めた理由を教えてください。
オフィス探しは、まず営業に出やすいように山手線沿線、代々木から田町くらいまでのエリアで探しました。また事業拡大のことを考えると、30名くらいまでが入れるスペースが必須。そして、打ち合わせや採用面接で社外から来社してもらうことも考えて、駅から近いことも重要視しました。
そうした条件の中で、五反田は周辺の駅と比べると家賃が割安でした。企業ブランディングの観点でも、五反田は近年「五反田バレー」と呼ばれるほど IT企業が集まっており、ベンチャー感を意識したいという趣旨にも合致していました。
最終的に五反田TOCに決めたのは、郵便局やコンビニ、レストランがビル内にある利便性と、定期借家のため賃料が相場よりも安かったからです。
そうした条件の中で、五反田は周辺の駅と比べると家賃が割安でした。企業ブランディングの観点でも、五反田は近年「五反田バレー」と呼ばれるほど IT企業が集まっており、ベンチャー感を意識したいという趣旨にも合致していました。
最終的に五反田TOCに決めたのは、郵便局やコンビニ、レストランがビル内にある利便性と、定期借家のため賃料が相場よりも安かったからです。
オフィスはチームの熱量を生みだす場所。コミュニケーションの重要性を実感
ーー自社オフィスを構えたことで、どんな変化がありましたか?
オフィスを構えたからといって出勤を強制することはなく、以前のように自宅やカフェで仕事するのもオフィスに出勤して働くのも、社員一人ひとりの選択に任せました。毎日働く場所を自分で決めることができるこのスタイルは「通勤しなくても社員として働ける会社」として採用面でも効果があり、良い企業ブランディングになっています。
またコワーキングスペース時代とは異なり、みんなが顔を見ながらじっくり話せるようになりました。働く場所を自分で選択しているという使命感に加え、社員同士の相互理解も深まってきたように思います。
またコワーキングスペース時代とは異なり、みんなが顔を見ながらじっくり話せるようになりました。働く場所を自分で選択しているという使命感に加え、社員同士の相互理解も深まってきたように思います。
さらに嬉しいことに、社員にも「せっかくオフィスがあるのだから活用しよう!」という意識が芽生えました。
「オフィスに行くのはコミュニケーションを取るため」という共通認識がなんとなく出来上がり、以前はオンラインだった打ち合わせやブレストをあえてオフィスでするようになったり、自発的に飲み会が開かれたりと、密なコミュニケーションの機会が増えています。
また、熱量のあるコミュニケーションが増え、新しいアイデアが生まれやすくなりました。これはオフィスを構えたからこその気づきで、会社の前向きな変化に繋がっています。
「オフィスに行くのはコミュニケーションを取るため」という共通認識がなんとなく出来上がり、以前はオンラインだった打ち合わせやブレストをあえてオフィスでするようになったり、自発的に飲み会が開かれたりと、密なコミュニケーションの機会が増えています。
また、熱量のあるコミュニケーションが増え、新しいアイデアが生まれやすくなりました。これはオフィスを構えたからこその気づきで、会社の前向きな変化に繋がっています。
オフィスは第二の家!くつろげる空間にするためスペースを有効活用
ーーオフィスづくりで大切にしたことは何ですか?
地方や海外在住のフルリモートメンバーにとって、このオフィスは「自分たちの戻れる場所であって欲しい」という想いがあります。
扉を開けて自宅に帰るような感覚でいてほしいと、執務室は靴を脱いで入るスタイルにしました。執務室の奥は、仮眠をとることもできるくつろぎスペースを設けています。会議やブレストをここでおこなうこともあります。
土足禁止のため、社内イベントにはハイハイするくらいの小さな子どもを連れてきてもOK。親子で参加できる社内交流では、こうした気遣いがとても喜ばれます。
扉を開けて自宅に帰るような感覚でいてほしいと、執務室は靴を脱いで入るスタイルにしました。執務室の奥は、仮眠をとることもできるくつろぎスペースを設けています。会議やブレストをここでおこなうこともあります。
土足禁止のため、社内イベントにはハイハイするくらいの小さな子どもを連れてきてもOK。親子で参加できる社内交流では、こうした気遣いがとても喜ばれます。
ーー社員から「もっとこんなオフィスにしたい」という声はありますか?また次の移転をイメージしますか?
地方や海外在住のフルリモートメンバーからは「シャワールームが欲しい」「寝室が欲しい」「東京に来た時の拠点としてフル活用したい」と言われます(笑)。
次の移転では、集中スペースがあると良いと思っています。コンセプトは『暮らしながら仕事する』で、どんな機能が必要か探っているところです。
オフィスを構えてみると、色々な要望が出てくるものですね。
次の移転では、集中スペースがあると良いと思っています。コンセプトは『暮らしながら仕事する』で、どんな機能が必要か探っているところです。
オフィスを構えてみると、色々な要望が出てくるものですね。
「未来を自分で選択できる社会をつくる」ー自分らしい働き方を選べる社会へ
ーー貴社の事業やサービスについて教えてください。
法人向けのオンラインアシスタントサービス「HELP YOU」を提供しています。HELP YOU には、経理、人事/採用、総務、営業サポート等、主に事務系の専門スキルを持った優秀な方々が登録しており、オンライン上で業務サポートや代行をおこないます。
「社員1人雇うほどの業務量ではないけど頼める人がいない…」といった課題をもつ企業や組織は数多く存在します。そうした環境の“かゆい所に手が届く”サービスとして、400人の優秀なHELP YOUのメンバーの中から適任をアサインし、チームでサポートします。
一方、数年前までリモートワークできるのはプログラマーやデザイナーなど一部のフリーランスだけと思われており、事務系の人材活用の仕組みが進んでいませんでした。
在宅でも働きたい意欲もスキルも持ち合わせている人はたくさん存在し、そうした人たちに HELP YOU に登録してもらい、活躍できる場を提供しています。
「社員1人雇うほどの業務量ではないけど頼める人がいない…」といった課題をもつ企業や組織は数多く存在します。そうした環境の“かゆい所に手が届く”サービスとして、400人の優秀なHELP YOUのメンバーの中から適任をアサインし、チームでサポートします。
一方、数年前までリモートワークできるのはプログラマーやデザイナーなど一部のフリーランスだけと思われており、事務系の人材活用の仕組みが進んでいませんでした。
在宅でも働きたい意欲もスキルも持ち合わせている人はたくさん存在し、そうした人たちに HELP YOU に登録してもらい、活躍できる場を提供しています。
ーー貴社の独自性をどう捉えていますか?
HELP YOU には素晴らしいスキルを持ち、働く意欲はありながらも、家庭の事情や住む場所などの制約で働けない人がオンラインアシスタントとしてたくさん登録しています。
競合は大企業含め、数十社ありますが、HELP YOU のアシスタントは非常にホスピタリティが高いと思っています。なぜなら、単なるお仕事マッチングサービスの登録者ではなく、我々が掲げる「未来を自分で選択できる社会をつくる」というビジョンに共感し、我々の事業を一緒に広げる“仲間”として関わってくれているからです。
競合は大企業含め、数十社ありますが、HELP YOU のアシスタントは非常にホスピタリティが高いと思っています。なぜなら、単なるお仕事マッチングサービスの登録者ではなく、我々が掲げる「未来を自分で選択できる社会をつくる」というビジョンに共感し、我々の事業を一緒に広げる“仲間”として関わってくれているからです。
ーー 起業したきっかけや「HELP YOU」が生まれた経緯を教えてください。
もともと30歳を過ぎたら会社を辞め起業しようと思っていました。起業のアイデアはたくさんありましたが、先輩から「それでは本当にやりたいことは見えてこない」「よく考えた方が、」「1回休んだ方が、」といった声があり、ゆっくり考えようと1年間休みました。アメリカ横断したり、東南アジアを周遊したりして見聞を広げたり、本を読んだりして様々なことを考えましたね。この1年は正に“人生の夏休み”のようでした。
そんな経験から、旅をしながらでも仕事ができることを発見し、それまで '仕事で自分を縛っていた' ことに気がつきました。と同時に、「どちらもやればいい」「どちらもやれる働き方がある」ということも。そこで自身の原体験から、事業ドメイン自体を "働き方" にフォーカスすることを決めました。
そんな経験から、旅をしながらでも仕事ができることを発見し、それまで '仕事で自分を縛っていた' ことに気がつきました。と同時に、「どちらもやればいい」「どちらもやれる働き方がある」ということも。そこで自身の原体験から、事業ドメイン自体を "働き方" にフォーカスすることを決めました。
ーー今後はどんな展望を描いていますか?
HELP YOU をもっと拡大させたいです。
企業へのサービス品質の向上はもちろん、個人の働き方にフォーカスし、働き方の選択肢を増やす取り組みや、PCスキルなどのキャリアアップや教育の機会提供を考えています。
地方、海外も視野に入れつつ、新規事業にも着手したいですね。
そして HELP YOU を含めた関わりの中で、感謝される嬉しさや「働くことは人生を豊かにする」と実感してくれる人が増えたら嬉しいです。5年後くらいには「あなたがいてよかった」と思ってくれる人が 100万人くらいになっていてほしいですね。
企業へのサービス品質の向上はもちろん、個人の働き方にフォーカスし、働き方の選択肢を増やす取り組みや、PCスキルなどのキャリアアップや教育の機会提供を考えています。
地方、海外も視野に入れつつ、新規事業にも着手したいですね。
そして HELP YOU を含めた関わりの中で、感謝される嬉しさや「働くことは人生を豊かにする」と実感してくれる人が増えたら嬉しいです。5年後くらいには「あなたがいてよかった」と思ってくれる人が 100万人くらいになっていてほしいですね。
<撮影・文>
Hiroko Okamura
<編集>
ヤマザワノリコ
(一部画像:株式会社ニットさまご提供)
※記事の内容は公開時のものです
Hiroko Okamura
<編集>
ヤマザワノリコ
(一部画像:株式会社ニットさまご提供)
※記事の内容は公開時のものです
それをきっかけに現代社会の働き方に疑問を感じ、毎日オフィスに行くという働き方だけでなく、もっと様々な働き方や生き方の選択肢があってもいいのではないかと考え始める。
帰国後、誰もが自分らしい働き方を選択できるために「HELP YOU」サービスを立ち上げる。
〒141-0031
東京都品川区西五反田 7-22-17 TOCビル 10F 41号
https://knit-inc.com/