カスタムオーダーアパレルブランド「FABRIC TOKYO」を運営する株式会社FABRIC TOKYO。社員増加に伴い、昨年 4倍近く広いオフィスへ移転しました。抱えていた課題をクリアにし、より躍進するための基盤にもなる新オフィス。そこに込められた想いと様々な工夫を取材しました。
カスタムオーダーアパレルブランド「FABRIC TOKYO」を運営する株式会社FABRIC TOKYO。社員増加に伴い、昨年 4倍近く広いオフィスへ移転しました。抱えていた課題をクリアにし、より躍進するための基盤にもなる新オフィス。そこに込められた想いと様々な工夫を取材しました。
他社にはない挑戦を。企業哲学に基づきオフィスもビジネスも開拓する
ーー現在のオフィスへは、2019年6月に移転されました。その経緯などを教えてください。
目指したのは、組織と社員にとってのシームレスな“居場所”づくり
ーーオフィス選びの際、どんな点を重視しましたか?
うちは、部署や機能が比較的多いんです。店舗を構えるアパレルメーカーとしての側面に加えて、IT企業でもあるので、エンジニア職の社員もひとつ屋根の下で仕事をしています。一般的には外注している機能も、うちでは内製化しているものが多くあると思います。そんな、使っている言語やカルチャーが異なるスタッフが同じオフィス内で働くには、垣根のない組織づくりが必要です。新しいオフィスではその点を大事にしたいと思いました。
二つ目は、全てのスタッフにとっての“居場所”のようなオフィスを目指しました。
現在、オフィスと店舗を合わせて約20拠点が国内に点在しています。ひと言でFABRIC TOKYOの社員といっても、東京だけでなく、神戸や福岡で働いている人たちもいるわけです。でも、前のオフィスは狭くて店舗スタッフが来てくれても座る場所すらなかった(苦笑)。これは良くないな、と。だから、遠方のスタッフも気軽に立ち寄れる場が必要だと考えていました。良い組織づくりには、“戻る場所”の存在はすごく大切ですから。
一つ目の課題は、コミュニケーションを活発にする仕掛けをいくつか設けることで、クリアしています。例えば、雑談がどんどん生まれるよう、会議室を減らして、代わりにオープンスペースを広く確保しました。例えば、執務フロアには、立ったまま使えるミーティングスペースやホワイトボードを設け、日々、活発なディスカッションが自然発生しています。パブリックスペースにも約4mのロングテーブルがあり、研修や勉強会だけでなく、ランチやちょっとした休憩にも使われています。
そんなスペースを積極に使うことで社内の至るところで化学反応が生まれていて、期待どおり!とうれしく思っています。
二つ目の課題についても、旧オフィスと比べて4倍近く広くなり、普段はオフィスにいないスタッフも立ち寄りやすくなったと思います。さらに、指紋認証システムを導入したことで、全社員の出入りがスムーズになりました。それに、指紋でピッと入れると、“自分の居場所”と感じてもらいやすいのではないでしょうか。
アイデアを具現化!多様な意見を映し個性あふれるオフィスに
ーーオフィス移転にあたり、社員のみなさんから何か意見はありましたか?
このプロジェクトが、とても有効に働いたと思っています。例えば、わが社では、全ての新入社員は約1ヶ月の研修で、洋服の知識や接客の基礎、採寸の仕方などを身に付けるのですが、そのための擬似店舗をオフィスの中に作っては?というアイデアが、教育チームのスタッフから出ました。これは、その部門のスタッフでないと気づけないことですよね。そして実際にこの擬似店舗は、作って大正解でした!
創業の契機は「“自分のためだけの服”ってカッコイイ!」という感動
ーー貴社の事業やサービスについて教えてください。
スーツブランドの顧客は通常、40〜50代の方が中心ですが、FABRIC TOKYOのお客様は30歳前後の方がボリュームゾーン。特に、若いビジネスパーソンにご愛用いただいています。
それに加えて、パーソナルなきっかけとしては、僕の原体験よるところがあります。僕は腕が長いため、サイズの合うスーツがなかなかなくて、我慢して着ていることが多かったんです。でもある日、友人がオーダーメイドのスーツを着ていて、それがすごくカッコよかった。それで自分もスーツを仕立ててみたのですが、これが衝撃的だった。体型にピッタリ合うのはもちろんのこと、何よりも自分オリジナルのものを作るというのがすごく楽しい体験だということに気づいたのです。この気持ちよさを、もっとたくさんの人に体験してほしい、とい思いうが創業につながりました。
世界的ブランドを本気で!固定概念のない仲間と歩みを進めたい
ーー今後の事業展開、描いているビジョンについて教えてください。
また昨年は、『STAMP』という無人店舗型の新しいテックブランドを立ち上げました。今はまだ、完全招待制でデニムからスタートしている状態なのですが、すでに手応えを感じています。普段スーツを着ないお客様にはぜひ、『STAMP』を利用していただきたいですね。
僕たちは単に服を販売しているのではなく、FABRIC TOKYOの服を着た“体験”を届けたいと考えています。お客様にはFABRIC TOKYOの服を着てイキイキと働くことで、仕事の楽しさを感じていただきたい。そんなブランドコンセプトにも通じるひとつのアイデアとして、コワーキングスペースを作りたいなと目論んでいたりもします。働くスペース×働くための服を選ぶ場所。そんな、既成概念にとらわれない事業やスタイルをこれからも模索していきたいですね。
アパレル×ITというフィールドで挑戦を続ける株式会社FABRIC TOKYO。枠組みにとらわれることなく、活発なコミュニケーションや横のつながりを大切にする姿勢、そのための工夫がオフィスの随所に見られました。
スタイリッシュながら、良い意味でのカジュアルさと温もりが溢れる空間。ここから次は、どんな“ファッション体験”が生まれるのでしょう。
株式会社FABRIC TOKYO(FABRIC TOKYO inc.) 代表取締役CEO 森雄一郎
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目23-13 南新宿星野ビル6階
https://corp.fabric-tokyo.com/
ライター Kayo Miyago
※記事の内容は公開時のものです